学習難易度☆☆~☆☆☆ 冠詞: aとtheの使い分け (PART1)

PART1: 冠詞とは?
冠詞のaとtheの使い分けは、英語という言語において、最も高いハードルの一つと言われています。日本語にはそもそも冠詞が存在しないため、その違いを文法ルールだけで理解しようと思っても、なかなか厳しいのが現実です。

冠詞は英語の基礎でありながら、最も習得が難しいものです。今回の冠詞に関する投稿では、学習難易度別にご紹介いたします。また、これまでの投稿も難易度にバラツキがあったため、分かりやすくする目的で学習難易度別に以下のように分類しました。
難易度☆初めての方
難易度☆☆中学生くらいまで
難易度☆☆☆高校生くらいまで
難易度☆☆☆☆英検準1級程度
難易度☆☆☆☆☆英検1級程度もしくはそれ以上のハイレベル
取り組む際の参考にしてみてください。

〇冠詞の役割:
冠詞は3つのカテゴリーに分類されます。不定冠詞(a/an)、定冠詞(the)、冠詞をつけない無冠詞(zero article)です。
不定冠詞 a/an の役割
a や an は、一つを意味する one が語源とされていて、数多くあるものの中からどれか一つを指し示しています。聞き手にとっては、その名詞が具体的にどれであるかまでは特定されていません 。文章や会話で初めて話題にあがる名詞=話し手と聞き手の間で共通認識されていない情報に対して用いられます 。
例: I saw a stray cat yesterday. (昨日野良猫を見かけた)では、話し手は特定の猫を見たものの、聞き手はどの猫か分からないため、aが使われます。
定冠詞 the の役割
the は、あれを意味する that が語源とされていて、話し手と聞き手がお互いに共通認識を持つ特定の何かを指し示す時に使われます。theは、指でそのものをピンポイントで指し示すようなイメージをしてください。
例: Let's go to the supermarket. (スーパーに行きましょう。)では、話し手と聞き手の間で、前から話題にあった特定のスーパー、もしくは会話が行われている場所から最寄りのスーパーなど、どのスーパーを指しているかを互いに把握しています。

 

〇冠詞の存在理由:
冠詞の使い分けとしては、特定か不特定かだけではなく、話し手と聞き手の間で情報がどれだけ共有されているか?というコミュニケーションそのもので捉えることでよりイメージがつきやすいと思います 。この視点で考えると、よく言われている初出はa、2度目はtheというルールは、情報の非共有から共有済みへと変化したと考えることで分かりやすいです。
例: I have a dog. The dog is toy poodle. (犬を飼っています。その犬はトイプードルです。)では、まずa dog という新しい情報が出てきて、次の2文目ではその情報が聞き手と共有された状態になっているため、the dog が使われています。
また、よく冠詞をイメージする際に言われているのが、名詞が指す対象に輪郭を与えるかどうか、その輪郭を話し手と聞き手が共有しているかどうかという2つのポイントで捉えます。これはPART2以降で詳しくふれます。
a は輪郭のある1つの何か、the は輪郭のある共有された何かを指します。無冠詞は、名詞の輪郭がない、抽象的な意味や集合的な概念を伝える働きがあります 。この3つのカテゴリーを輪郭の有無と共有度という視点から理解できれば、冠詞それぞれの役割がより分かりやすくなります。
例: I like chicken. (鶏肉という食材の概念) I ate a chicken.(一羽まるごとの鶏)は、aの有無によって名詞の持つ意味合いが大きく変わります。

2025年08月12日